ルーブリック勉強会を開催しました

「ルーブリック」という言葉を聞いたことがありますか?大学などで従来行ってきた試験やレポートなどでは評価しにくい、芸術やスポーツ等のパフォーマンスを評価する一手法として知られています。また、評価だけではなく、学びの方向付けや目標として学生に示すこともできます。このルーブリックを、「強い人材」プログラムの中でも活用するため、大学間連携事業では独自の試案を作成しています。2月14日・15日に開催した「合宿型討論会」では、学生と教職員が意見交換しながら、ルーブリックの簡易版を作りました。

この「強い人材」版ルーブリックを更に精緻化するため、既に学内でルーブリックを導入し、研究されている弘前大学の田中正弘先生を講師にお招きし、事例の紹介やルーブリックの作成手順、課題などをお話いただきました。

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弘前大学の田中正弘先生によるお話

弘前大学では、初年次教育の基礎ゼミにおいてルーブリックを活用しています。ポートフォリオと併せて活用することで、学生が自身を振り返り、能動的に学修を深めることを目的に実施しているそうです。これまでシラバスで箇条書きにしていた到達目標を、学びの尺度を設けて表にすることで、学生自らが自分の現状を把握し、目標までに必要なことを確かめることができるというのが、ルーブリックの利点です。

しかし、実際に活用するとなると、尺度の見直しや学生にわかりやすい記述への変更など、いろいろなご苦労があったようです。そんな先生のお話を受けて、参加していた教職員からもさまざまな質問が投げかけられました。特に皆さんが知りたかったのは、「どのようにルーブリックを作成したのか」という点。田中先生からは「作ること自体は一人でもできる。ただ、その後の活用や基準の共有ということを考えると、複数の意見が反映された内容であることが望ましい」というお話がありました。その点においては、「合宿型討論会」で教職員だけではなく、学生の意見も取り入れてルーブリックを作成したプロセスに、大変感心されていました。

意見交換の時間はとても活発でした

熱心な参加者からたくさんの質問が出されました

とはいえ、ルーブリックは万能ではなく、あくまで一つの手法です。学生がより深い学びを得るには、どのような授業内容で、どの方法によって振り返りや評価を行うことが適切なのかを考えた上で、ルーブリックという選択肢が浮かび上がるのでしょう。「強い人材」プログラムにおける学生のより良い学修を導くために、目的に沿ったプログラム内容と評価基準の設定について、改めて考える良い機会となりました。田中先生、ありがとうございました。

【日 時】平成27年2月20日(金)15:30~17:30
【会 場】福島大学 事務局棟 第4会議室
【参加者】教職員11人(会津大学、郡山女子大学、福島学院大学、福島大学)

カテゴリー: 「開かれた内部質保証システム」のモデル開発, 地域の期待を反映した学修成果の設定