平成28年5月27日 制定

計画推進期間

平成28年5月〜平成33年3月

基本となる方針

  • 福島県の高等教育の本質化(質保証による高度化)と、その過程での連携を目指します。
  • 学生の教育にあたっては、大学間連携共同教育推進事業で培った“アウェイ感”による気づきの学習を深化させ、その成果を学生、教員、ステークホルダーのいずれもが視認できる仕組みを目指します。
  • 人口定着、地方創生などの地域課題と協調し、産官学それぞれの領域が単独では実現し得ない成果を生み出すための集合体となることを目指します。
  • 教育事業、研究事業の双方においてプロジェクト型での推進を意識し、ノウハウ、シーズを集結して優れたパフォーマンスを導出できる分野における大学間連携に特化します。
  • このように、本県のアカデミズムを集結した組織として、官界・経済界との連携・協働を推進します。
中期ビジョンの位置づけ | 現状の認識 | 基本的な方針 | 取組体制

中期ビジョンの位置づけ

アカデミア・コンソーシアムふくしまは福島県下唯一の、すべての高等教育機関が参加をする大学コンソーシアムであり、そのため高等教育の視点から福島県民に対する寄与のあり方を考え、福島県の明日を支えることのできる人材を輩出する仕組みを整えていく責務があると考えています。先の中期ビジョンは平成24年3月に策定されましたが、この当時は東日本大震災から1年が経過しようとする時期で、先行きの見えない震災復旧・復興に本県の高等教育機関が向き合うことを念頭に作られた中期ビジョンでした。東日本大震災から5年が経過した今、復旧・復興と並行して、その先にあるべき本県の姿を実現するために県内の高等教育機関がどうあるべきかを、5年先の平成32年度までを視野に定めるのが、この中期ビジョンです。

現状の認識

コンソーシアムによる高等教育の必要性

本県の高卒時の大学・短大等への進学率は、全国平均より10ポイントも低い水準であり、また東北地方の平均よりも下回っています。本県の15歳〜20歳人口の流出は、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故による影響もありますが、2,000人規模の転出超過が続いています 。 このような中で、福島県内の各高等教育機関は、首都圏等他地域の大学等による広告で溢れる本県の高等学校においても、学生確保に向けて懸命の努力を行っています。しかし、高卒者が県外の大学等を志願して流出をするということへの対策は、単独の高等教育機関でどこまでできているのでしょうか。高校生が福島県で学び続けたいと思う教育が単独の高等教育機関でできていれば、この状況には至らなかったのではないでしょうか。

産官学連携のパートナーとして

技術革新や社会構造の成熟により、産官学連携の場面で大学に求められるものが様変わりしつつあることにも目を向けなければなりません。たとえば総合大学が本県にないことは、研究の領域においても単独の高等教育機関でできることの限界があるということを意味します。このことは、地域が望む産官学連携のパートナーとしても地域の産業・経済界、行政等からの期待に万全に応えることができていない可能性があるということです。こうした結果、他県に比した本県の競争力を最大限引き出せていないという可能性は排除しきれないのではないかという危機感があります。

復興に対する認識

東日本大震災から5年の歳月が経ち、政府、福島県の復興への考え方も、これまでの集中復興期間から復興・創生期間へのシフトと共に変わっていきます。このように、先の中期ビジョンの作られた時点と今日との間では、復興の本質が変わってきていると考えています。県内では復興がまだ道半ばという地域や分野も多く残されていますが、それが地域課題のすべてではありません。いつまでも復興ということを第一に掲げることにより生じる空白、遅滞や新たな風評とその影響にも目を向けていかなければならない時期が既に到来しています。同様に少子高齢化や商工業の衰退という、本県の歴史的な課題が加速度的に顕在化したのが東日本大震災であり、それに向き合うのが地方創生であるという理解も必要です。復興の次のステージとは何なのかを、高等教育機関の中でも深く考えていく必要があります。

基本的な方針

本県の高等教育の高度化を目指して

福島県の高等教育における質保証は、大学間連携共同教育推進事業により全体がステップアップを図ることができ、本県における高等教育の底上げが始まりました。このような質保証による高度化を通して、福島県の高等教育の本質化を進めていきます。その過程で、教育プログラムの開発と評価を中心に、大学の垣根を越えたFDにおける連携も進めます。 教育は国家百年の計であり、地域の明日は教育の成否により決まります。福島県の高等教育を、大学間連携による仕組みから高度化、本質化していきます。

コンソーシアムらしい教育事業の推進主体として

さまざまな性質をもった高等教育機関で構成されたコンソーシアムが行う教育プログラムでは、まずコンソーシアムとして取組むべきものであるのかという精査が欠かせませんが、その上でさまざまな性質をもった学生が関与することを念頭に仕組みを整える必要があります。具体的には、成果を学生自身が実感し体得できる教育手法を取り入れることが重要です。大学間連携共同教育推進事業では、異なる学部や出身地、国籍という異質の他者と交わることにより学生が自覚する“アウェイ感”と、その本質が何なのかを考えさせる、あるいはその気づきを契機により深い理解のための学習を展開させるということを目的に、ステークホルダーとのコラボレーションと多様な学生のミクスチャによって実現する“気づきの学習”という仕組みを成熟させ、「強い人材」の育成に努めて参りました。今後はこの手法をさらに深化させ、さらに先述の質保証の考え方により学生、教員、ステークホルダーのいずれもが成果を視認できるようにすることにより、コンソーシアムらしい教育事業を展開していきます。 併せて、学生たちの地元のために役立ちたいという熱意を地域に還元できるような視点での事業推進も必要です。そのため、ステークホルダーが県内の学生と交わることにより得られる、イノベーションのための異なる視点でのアイデア、意見など、一つの取組で生じる成果を教育、研究のみに留めず地域にも還元する仕組みづくりを実現していきます。

地域課題にステークホルダーと共に向き合う主体として

アカデミア・コンソーシアムふくしまは、人口定着、地方創生といった今こそ向き合うべき地域の課題に自治体や経済団体などと協調し、産官学それぞれの領域が単独では実現し得ない成果を生み出すための集合体となることを目指します。具体的には、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」や福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想など、本県における産官学が連携して推進していくために、高等教育機関が結束すべき場面において結束することを目指します。 また、これまで、本県の多様な高等教育機関が連携をするために、幅広く、共通項を最大限に活かした取組を数多く展開してきました。しかし課題の本質を見抜き、解決をするための専門家集団として地域に期待された場面において、この方法は最適ではありません。同様に、財源の獲得にあたっても望ましいものではありません。そこで、教育、研究の双方において大学のみではなく地域と共に推進するプロジェクト型での事業を意識し、ノウハウ、シーズを集結して優れたパフォーマンスを導出できる分野における大学間連携に特化していきます。併せて、そのために必要となる財源の獲得にあたっては、大学間連携によりもたらされる成果を得る主体が適切に負担できる仕組みとなるよう、コンソーシアムとして促していくことを目指します。 また、地域の各業界団体等と共に本県をより豊かな県に発展させるためにも、各業界と対等に対話のできる主体として一致団結し、地域の課題に立ち向かうことのできる組織としてのあり方を模索していきます。

福島県のアカデミズムをコーディネートする組織へ

先述のようにアカデミア・コンソーシアムふくしまは、本県では唯一の、すべての高等教育機関が参加をする大学コンソーシアムです。こうした地域を代表するアカデミズムを集結した組織として、官界・経済界との連携・協働を推進していくために、最適な学識経験者と地域社会を結びつけるコーディネート機能を強化し、高等教育機関が地域に対して果たすべき地域貢献の役割の効率を引き上げていきます。

取組体制

組織力の強化

大学コンソーシアムの健全な運営にあたっては、異なる設立形態や互いの建学の精神などへ配慮を重ねつつ、それでも異なる背景を持つ高等教育機関が結束をして一つのことに向き合うために、各会員機関の意見を出し合うための理事会、事業推進会議における積極的な意見交換が不可欠です。また、今後プロジェクト型の事業推進を意識するためにも、それぞれの会員機関に在籍する教職員の横のつながりを強化していかねばなりません。こうした組織力の強化は、後述の事務局体制の確立と共に不可欠な要件となりますので、改めて会員機関に対し根深い関与を要請していきます。

事務局機能

現在の事務局体制は、文部科学省の大学間連携共同教育推進事業で雇用したスタッフが本事業を実施し、コンソーシアムの経理を福島大学の地域連携課が担うという体制です。主要な事業は大学間連携共同教育推進事業の主催機関をアカデミア・コンソーシアムふくしまとする形で実施していますが、コンソーシアムとして必要な事務局機能が本事業で雇用したスタッフおよび福島大学職員の本来業務との兼務になっている点が弱点であり、この点は平成23年度まで推進した戦略的大学連携支援事業の当時からの課題として今も残っています。 しかし、コンソーシアムと地域の関わりが幅広く、深いものとなった今、また高等教育機関全体の底上げを単独大学ではなく大学間連携で行うようになった今、事務局機能を放棄することはできず、事業推進のための常勤スタッフは不可欠です。コンソーシアムの設立を提唱した福島大学としての責務を遂行するためにも、事務局は引き続き福島大学に置き、ベースの事務局員として福島大学から職員を配置することは継続して要請し、併せて正会員各機関からのコンソーシアムの会費や特別会員各機関からの受託業務等による収益で事務局が正常に機能できるよう、改めて要請していきます。


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